Capital Insight 編集部
含み損とは
含み損とは、保有する金融商品(株式・投資信託等)の現在の評価額が購入額を下回っている状態のことです。まだ売却していないため損失は「確定」しておらず、今後の値動き次第で回復する可能性もあります。反対に、評価額が購入額を上回っている状態を「含み益」と言います。
含み損が出たときの3つの選択肢
| 選択肢 | 概要 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 損切り(売却) | 含み損のまま売却し、損失を確定させる | 投資先の将来性に疑問がある場合、資金を別の投資に回したい場合 |
| 塩漬け(保有継続) | 売らずにそのまま保有し続ける | 長期投資で回復を待てる場合、配当や分配金がある場合 |
| ナンピン(追加購入) | 下落時にさらに買い増して平均取得単価を下げる | 投資先の将来性に確信がある場合(リスク大) |
損切りすべきケース
- 投資先のファンダメンタルズが悪化:業績悪化、不祥事、業界の構造変化など、回復が見込めない根本的な理由がある場合
- 事前に決めた損切りラインに達した:「購入額から20%下落したら売る」などのルールを事前に決めている場合
- 資金を別の投資機会に回したい:含み損の銘柄を保有し続ける「機会損失」の方が大きい場合
- 損益通算・繰越控除を活用したい:他の投資利益と損益通算するために、あえて損失を確定させる税務戦略
塩漬けでもよいケース
- インデックスファンドの積立投資:世界分散のインデックスファンドは長期では回復する傾向がある(ただし保証はない)ため、含み損が出ても積立を続けるのが基本方針
- 配当・分配金がある:含み損でも配当が出る場合、保有し続けることでインカムゲインを得られる
- 生活資金に影響しない:余剰資金での投資なら、急いで売る必要はない
含み損で「やってはいけない」こと
- 感情で判断する:「悔しいから取り返したい」「怖いから全部売りたい」は感情的な判断であり、合理的な投資行動ではありません
- 損失から目を背ける:含み損を見ないふりをして放置するのは「塩漬け」ではなく「思考停止」です。定期的に投資先の状況を確認しましょう
- 生活資金を投入してナンピンする:含み損を取り返すために生活費を追加投入するのは最も危険な行動です
損切りルールの設定方法
事前に「こうなったら売る」というルールを決めておくことで、感情的な判断を防げます。
- 定率ルール:「購入額から15〜20%下落したら売る」
- ファンダメンタルズルール:「業績が2期連続で赤字になったら売る」
- 時間ルール:「購入から1年経っても回復しなければ見直す」
ルールは事前に決め、感情に左右されずに機械的に実行することが重要です。
筆者が金融データ分析の現場で見てきた中では、含み損で最も損失が拡大するパターンは「損切りルールなしで始め、含み損が大きくなってから感情的に判断する」ケースです。インデックスファンドの長期積立なら基本的に塩漬け(保有継続)で問題ありませんが、個別株の場合は事前に損切りラインを設定しておくことが、資産を守る最大の防御策です。
免責事項・出典
本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。過去のリターンや利回りは将来の運用成果を保証するものではなく、金融商品の価値は市場環境により変動します。損切りの判断は個別の状況により異なるため、ファイナンシャルアドバイザーへの相談も検討してください。
主な出典(最終確認: 2026年4月): 金融庁 NISA特設ページ、 日本取引所グループ