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iDeCo掛金上限が2026年12月に大幅引き上げ!変更点・新上限額・節税シミュレーション

2026/4/22

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iDeCo掛金上限が2026年12月に大幅引き上げ!変更点・新上限額・節税シミュレーション

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Capital Insight 編集部

2026/4/22 公開

iDeCoの掛金上限が2026年に大きく変更

2026年は、iDeCo(個人型確定拠出年金)にとって制度開始以来の大きな改正が行われる年です。改正は2段階で実施される予定です。

  • 2026年4月:マッチング拠出の上限制限の撤廃
  • 2026年12月:掛金上限額の引き上げ+加入可能年齢の拡大(実際の引落しは2027年1月分から)

特に12月の改正では、会社員のiDeCo掛金上限が最大月62,000円(現行の約2.7倍)に引き上げられる予定です。本記事では、2つの改正の違い、職業別の新上限額、節税シミュレーションを解説します(制度詳細はiDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)および厚生労働省 iDeCoページをご確認ください)。

【第1弾】2026年4月の改正:マッチング拠出の制限撤廃

変更内容

これまで企業型DC(企業型確定拠出年金)に加入している会社員がマッチング拠出を行う場合、「加入者掛金(自分で拠出する分)は事業主掛金(会社が拠出する分)を超えてはならない」というルールがありました。

例えば会社が月5,000円しか拠出していない場合、自分も月5,000円までしかマッチング拠出できない状態でした。

2026年4月からこの制限が撤廃される予定です。会社の掛金額にかかわらず、月55,000円(2026年12月からは62,000円)の上限枠まで自分で拠出できるようになります。

影響を受けるケース

企業型DCに加入している会社員で、会社の掛金が少ない方が主な影響対象となります。

【第2弾】2026年12月の改正:掛金上限額の引き上げ

iDeCoの掛金上限が職業を問わず引き上げられる予定です。

職業別|新旧の掛金上限額

職業現行(2026年11月まで)新上限(2026年12月〜)増加額
自営業・フリーランス(第1号)月68,000円 ※1月75,000円 ※1+7,000円
会社員(企業年金なし)月23,000円月62,000円+39,000円
会社員(企業型DCあり)月20,000円月62,000円 ※2最大+42,000円
会社員(確定給付型年金あり)月12,000円月62,000円 ※2最大+50,000円
公務員月12,000円月54,000円+42,000円
専業主婦・主夫(第3号)月23,000円月62,000円+39,000円

※1 国民年金基金・国民年金付加保険料との合算枠
※2 企業年金等の掛金との合算で月62,000円が上限。企業年金の掛金が多い場合、iDeCoに回せる額は相応に減少

影響が大きいケース

影響が大きいのは企業年金のない会社員です。月23,000円から月62,000円と約2.7倍に拡大する計算で、年間拠出額は276,000円から744,000円となる予定です。

加入可能年齢の拡大

現行の加入可能年齢(65歳未満)が70歳未満に引き上げられる予定です。国民年金の任意加入をしている等、一定条件を満たすケースでは60代後半でもiDeCoに拠出できるようになる見込みです。定年退職後も老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていないケースでは、引き続き積立が可能となります。

節税シミュレーション(試算)

以下は前提条件に基づく試算であり、実際の節税額は個々の所得控除の状況により変動します。

ケース1:会社員(企業年金なし)年収500万円

項目現行改正後
月額掛金23,000円62,000円
年間掛金276,000円744,000円
所得税率+住民税率20%(所得税10%+住民税10%)20%
年間節税額(試算)約55,200円約148,800円
30年間の累計(試算)約165.6万円約446.4万円

改正により年間の節税額の試算が約9.4万円増える計算となります。30年間では約280万円の試算上の差です。

ケース2:会社員(企業年金なし)年収800万円

項目現行改正後
月額掛金23,000円62,000円
年間掛金276,000円744,000円
所得税率+住民税率30%(所得税20%+住民税10%)30%
年間節税額(試算)約82,800円約223,200円
30年間の累計(試算)約248.4万円約669.6万円

ケース3:自営業者 年収600万円

項目現行改正後
月額掛金68,000円75,000円
年間掛金816,000円900,000円
所得税率+住民税率30%30%
年間節税額(試算)約244,800円約270,000円

自営業者の増額幅は月7,000円と会社員より小さいものの、元々の拠出枠が大きいため節税額の試算水準は相対的に高めとなります。

海外の確定拠出年金制度との比較

英語圏の確定拠出年金制度(米国401(k)、英国自主年金等)では、年間拠出上限が数百万円〜1,000万円超となる国もあり、日本のiDeCoは改正後も海外制度と比べて拠出枠は相対的に限定的とされます。海外制度の前提は日本とは税制・制度が異なるため、直接比較はできません。詳細は国内公式情報を参照してください。

改正の準備と対応

まだiDeCoに加入していない場合

  1. 口座開設から始める:iDeCoの口座開設には1〜2ヶ月を要するケースが多いとされます。2026年12月の引き上げに合わせる場合、早期の口座開設が求められます
  2. 段階的な拠出額設定:会社員なら月23,000円からスタートし、12月以降に増額する方法が無理のないステップとなります

企業型DCに加入している場合

  1. 2026年4月のマッチング拠出改正を確認:会社の掛金が少ない場合、4月以降は自分の拠出額を増やせる可能性があります
  2. iDeCoへの併用加入も検討:企業型DCとiDeCoの併用は可能な設計。それぞれの枠を合算して月62,000円まで拠出できる予定です

改正に伴う留意点

今回の改正は掛金上限の引き上げという変更が中心ですが、留意点もあります。

  • 受取時の課税ルール:掛金が増えて受取額が大きくなると、退職所得控除を超える部分に課税される可能性があります。退職金が多いケースでは特に留意が必要
  • 60歳まで引き出せない制約:掛金を増やすことは、それだけ多くの資金を60歳まで引き出せない状態に置くことになります。増額は家計状況を踏まえた判断が求められる
  • 口座管理手数料:iDeCoは口座管理手数料(月171〜600円程度)が発生します。掛金が少額の場合、手数料負担の割合が相対的に大きくなる可能性

まとめ

  1. 2026年4月:マッチング拠出の上限制限が撤廃予定。企業型DC加入者の拠出自由度が拡大
  2. 2026年12月:掛金上限が引き上げ予定。会社員は最大月62,000円、自営業は月75,000円
  3. 加入可能年齢:65歳未満から70歳未満に拡大予定
  4. 節税効果の試算:年収500万円の会社員で年間約14.9万円の節税となる試算(改正前は約5.5万円)
  5. 準備事項:まだ加入していない場合は口座開設の時期を踏まえた準備、既に加入している場合は増額後の家計シミュレーションと受取時の税金シミュレーション

最終的な加入・増額の判断は、ご自身の家計状況・退職時期・リスク許容度を踏まえてご判断ください。

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免責事項・出典

本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。過去のリターンや利回りは将来の運用成果を保証するものではなく、金融商品の価値は市場環境により変動します。当メディアは金融商品取引業者ではなく、個別の投資助言は提供しておりません。税制・法令は変更される可能性があるため、最新情報は金融機関・金融庁・国税庁等の公式サイトをご確認ください。

主な出典(最終確認: 2026年4月)iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)厚生労働省 iDeCoページ国税庁 No.1135 小規模企業共済等掛金控除

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