Capital Insight 編集部
サラリーマンが株で確定申告が必要になるケース
会社員(サラリーマン)は通常、年末調整で税金の手続きが完了するため確定申告は不要です。しかし、株式投資を行っている場合、利用している口座の種類や取引内容によっては確定申告が必要になることがあります。
東証マネ部!の解説でも、口座タイプ別の確定申告の要否がわかりやすく説明されています。
| 口座タイプ | 確定申告 | 解説 |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 原則不要 | 証券会社が税金を自動で天引き。手間がかからない |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 必要 | 年間取引報告書は発行されるが、申告は自分で行う |
| 一般口座 | 必要 | 損益計算から申告まですべて自分で行う |
| NISA口座 | 不要 | 売却益・配当金が非課税のため申告不要 |
特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告した方がよいケース
特定口座(源泉徴収あり)は確定申告が不要ですが、以下のケースでは確定申告をした方が有利になる場合があります。SBI証券のFAQでも詳しく解説されています。
1. 複数の証券会社で取引し、損益通算したい場合
A証券で利益が出てB証券で損失が出た場合、確定申告で損益通算すれば払いすぎた税金が還付されます。同一証券会社内の損益は自動的に通算されますが、異なる証券会社間では確定申告が必要です。
2. 年間で損失が出た場合(繰越控除)
株式投資で年間の損益がマイナスだった場合、確定申告で「譲渡損失の繰越控除」を申請すれば、翌年以降3年間にわたり損失を繰り越して将来の利益と相殺できます。マネーフォワードの解説でも繰越控除の仕組みが詳しく説明されています。
3. 配当金の「総合課税」を選択して配当控除を受けたい場合
配当金は「申告不要(源泉徴収で完了)」「申告分離課税」「総合課税」の3つの課税方法から選べます。課税所得が一定水準以下の場合、総合課税を選択して配当控除を受けた方が有利になることがあります。
4. 外国株の外国税額控除を受けたい場合
米国株などの配当金には米国で10%の源泉徴収が行われます。確定申告で「外国税額控除」を申請すれば、二重課税の一部が還付されます。
確定申告のやり方(サラリーマン向け)
必要な書類
- 年間取引報告書:特定口座を利用している場合、証券会社が毎年1月に発行。損益の明細が記載されています
- 源泉徴収票:勤務先から発行される給与所得の源泉徴収票
- マイナンバーカード:e-Tax(電子申告)に必要
申告の流れ
- 国税庁の確定申告書作成コーナーにアクセスし、画面の案内に従って入力
- 給与所得の情報(源泉徴収票)と株式の売却損益(年間取引報告書)を入力
- e-Taxで電子送信するか、印刷して税務署に郵送・持参
確定申告の期間は例年2月16日〜3月15日です(土日の場合は翌営業日)。
確定申告をしなくてよい状態を作る方法
確定申告の手間を省きたいサラリーマンは、以下のように口座を設定するのが最もシンプルです。
- 特定口座(源泉徴収あり)で取引する:証券会社が税金を自動計算・徴収するため、確定申告が不要です
- NISA口座を最大限活用する:NISA枠内の売却益・配当金は非課税のため、確定申告自体が発生しません
- 証券会社を1社に集約する:複数社で取引すると損益通算のために確定申告が必要になる場合があるため、可能なら1社に集約する方がシンプルです
筆者が金融データ分析の現場で見てきた中では、サラリーマン投資家が確定申告で最も見落としやすいのは「損失が出た年の繰越控除」です。利益が出た年は税金を意識しますが、損失の年は「申告しても意味がない」と思って放置する方が多いです。しかし、翌年以降に利益が出たときに繰越控除が使えれば、大きな節税効果が得られます。
免責事項・出典
本記事は情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。過去のリターンは将来の運用成果を保証するものではありません。また、本記事は税務アドバイスを提供するものではありません。個別の税務判断は税理士や所轄の税務署にご相談ください。税制は毎年改正される可能性があるため、最新情報は国税庁公式サイトでご確認ください。
主な出典(最終確認: 2026年4月): 国税庁 株式の売却・配当等の確定申告、 東証マネ部! 確定申告解説、 マネーフォワード 損益通算解説、 freee 株式投資の確定申告