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個人向け国債完全ガイド|変動10年・固定5年・固定3年の違いと選び方【2026年版】

2026/4/22

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個人向け国債完全ガイド|変動10年・固定5年・固定3年の違いと選び方【2026年版】

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Capital Insight 編集部

2026/4/22 公開

個人向け国債——3行で押さえる全体像

  • 個人(個人事業主含む)だけが買える国が発行する債券で、1万円から購入可能・元本が守られやすい設計・中途換金可能の3拍子が揃った初心者向け安全資産。
  • 種類は変動10年・固定5年・固定3年の3種類。金利の動き方と満期が異なり、適用利率にも最低保証年0.05%が設定されている。
  • 3タイプ間の利率関係は金利環境によって変動します。詳細は財務省「個人向け国債」公式ページで最新利率をご確認ください。「どれを選ぶか」は使う予定の時期+金利見通しで決めるのが正解。

本記事では、個人向け国債を初めて購入する人から、すでに保有している人がリバランスを検討する場面まで、実用目線で「変動10年/固定5年/固定3年」をどう選ぶかを徹底解説します。投資初心者の方は、あわせて新NISA完全ガイドiDeCo完全ガイド家計改善・資産形成ロードマップも参照ください。

個人向け国債とは何か

個人向け国債は、日本国(財務省)が個人向けに発行する債券です。証券会社・銀行・郵便局などで毎月募集されており、誰でも1万円単位で購入可能。国が発行体のため信用リスクが極めて低く、元本割れしない(中途換金時に直近2回分の利子相当額が差し引かれるのみ)安全資産として根強い人気があります。

3種類の共通特徴

  • 1万円から1万円単位で購入可能
  • 全期間を通じた年率ベースで最低保証金利0.05%
  • 中途換金は発行から1年経過後にいつでも可能(直近2回分の利子相当額が差し引かれる)
  • 利息は年2回支払い
  • 取扱金融機関による購入時キャッシュバックキャンペーンが定期開催されることがある

3種類の違いまとめ

項目変動10年固定5年固定3年
満期10年5年3年
金利タイプ変動(半年ごと見直し)固定固定
基準金利からの計算基準金利 × 0.66基準金利 − 0.05%基準金利 − 0.03%
最低保証金利年0.05%年0.05%年0.05%
中途換金発行1年経過後可発行1年経過後可発行1年経過後可
向いている人金利上昇を取りにいきたい金利を確定させたい短期で確実に運用したい

※ 基準金利の計算方法・適用利率の最新値は必ず財務省の個人向け国債公式ページ(mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/)でご確認ください。

変動10年の仕組みを詳しく理解する

変動10年は、半年ごとに金利が見直されるのが最大の特徴です。適用利率は「基準金利 × 0.66」で計算されます(最低保証0.05%)。基準金利は発行前営業日から10年固定利付国債の想定利回りから決まります。

変動10年のメリット

  • 金利上昇時に受取利息が自動的に増える:日銀の金融政策変更・長期金利上昇を取りに行ける
  • 満期が長いため、長期保有で金利上昇の恩恵を複数回享受できる
  • 逆に金利が下がっても最低保証0.05%で守られる

変動10年のデメリット

  • 金利が下がると受取利息も減る
  • 固定型より利率がやや抑えられる設計(× 0.66)
  • 10年という長期拘束感(ただし1年後からは中途換金可)

固定5年の仕組みを詳しく理解する

固定5年は、購入時の利率が満期まで変わらないタイプ。基準金利から0.05%を差し引いた水準が適用利率になります(最低保証0.05%)。

固定5年のメリット

  • 受取金額が確定するため家計計画に組み込みやすい
  • 金利がピーク圏にあると判断する場合に有利
  • 変動10年より利率が高くなるタイミングがある(2026年時点は利率が逆転する局面)

固定5年のデメリット

  • 購入後に金利が上がっても恩恵を受けられない
  • 5年という中期拘束(1年後から中途換金可)

固定3年の仕組みと立ち位置

固定3年は、固定5年よりも短期で確実に運用したい人向け。適用利率は基準金利から0.03%を差し引いた水準です。

  • 3年以内に教育費・住宅頭金・車の買い替えなど使途が明確な資金に向く
  • 超短期で銀行預金より少し良い利率を狙いたいニーズに対応
  • 金利上昇局面では相対的に魅力が薄い(変動10年・固定5年と比較)

金利環境と「利率が逆転する局面」の考え方

日本は長らく続いた超低金利環境から金利上昇局面を経験しており、個人向け国債の利率にも特徴的な動きが報じられています。具体的な金利水準の推移は日本銀行・財務省の公表データをご確認ください。

  • 長期金利の上昇幅が限定的になると、固定5年・変動10年の関係が変化し、固定側が魅力的に映るタイミングがある
  • そのタイミングの確定利回りは、購入時の各タイプの適用利率を財務省公式で比較して判断するのが確実
  • 日銀金融政策次第で関係は再度変化しうるため、毎月の募集時に最新利率を確認することが重要

最新の適用利率は財務省「個人向け国債」ページや、楽天証券・SBI証券・野村證券・SMBC日興証券・大和証券など主要取扱金融機関の商品ページで毎月確認できます。購入検討時は必ず最新値で判断してください。

どう選ぶか:3つの判断軸

軸1:使う予定の時期

  • 3年以内に使う予定 → 固定3年
  • 5年程度で使う予定 → 固定5年
  • 当面使う予定なし・長期で置いておける → 変動10年

「いつ使うか」がはっきりしている資金は、その期間に合った満期を選ぶのが基本。固定型ならその期間中のキャッシュフローが確定するため、ライフプランに組み込みやすくなります。

軸2:金利の見通し

  • 「これから金利が上がる」と考える → 変動10年
  • 「金利はほぼピーク」と考える → 固定5年/固定3年

ただし金利予測は専門家でも外します。「絶対に上がる/下がる」と断定できる人はいません。そこで多くの投資家は、「使う予定の時期」を主軸に、金利見通しを副次的に加味する決め方をしています。

軸3:ポートフォリオ全体とのバランス

  • 新NISA・iDeCoで株式中心の運用をしているなら、安全資産として変動10年を厚めに
  • 逆に銀行預金偏重なら、固定5年・固定3年で利回りを少し引き上げ

全体の「守りと攻めのバランス」を意識したうえで、個人向け国債をどこに位置付けるかを決めると失敗しにくくなります。関連する資産配分の考え方は、家計改善・資産形成ロードマップで整理しています。

個人向け国債のメリット

  1. 元本割れの心配が極めて低い:国が発行体のため信用リスク最小
  2. 最低保証金利0.05%:どんなに金利が下がってもゼロにはならない
  3. 1万円から購入可能:少額から始められる
  4. 中途換金可能:1年経過後はいつでも換金可(直近2回分の利子相当額を差し引く)
  5. 銀行預金より高い利率になりやすい(特に金利上昇局面)
  6. 購入時キャッシュバックキャンペーンがある場合は実質利回りが上乗せ

個人向け国債のデメリット・注意点

  1. 株式・投資信託より期待リターンが低い:インフレに負けるリスク
  2. 発行から1年間は換金不可:緊急資金の置き場所としては不適
  3. 中途換金ペナルティ:直近2回分の利子相当額(税引前)が差し引かれる
  4. 利息に20.315%の課税(所得税15.315%+住民税5%)
  5. 新NISA対象外:非課税枠は使えない
  6. 銀行口座・証券口座の開設と金融機関選定の手間

新NISA・iDeCoとの使い分け

個人向け国債は非課税制度の対象外です。そのため、非課税枠を優先的に使い切った後の「安全資産の置き場所」として位置付けるのがセオリー。

この4層構造で、「生活防衛資金→非課税枠→守りの債券→攻めの運用」のバランスが整います。

購入方法:ステップごとに解説

  1. 取扱金融機関を選ぶ:楽天証券・SBI証券・野村證券・SMBC日興証券・大和証券・地方銀行・ゆうちょ銀行など
  2. 証券口座または専用口座を開設(ネット証券なら最短即日〜数日)
  3. 募集期間中に購入申込:個人向け国債は毎月募集(通常月初の数日間)
  4. 購入金額を指定(1万円単位)
  5. 約定・受渡:受渡日に代金引落、国債保有開始

最新の募集スケジュール・利率は必ず財務省「個人向け国債」公式ページで確認してください。購入時キャッシュバックキャンペーンは金融機関ごとに差があるため、同じ国債でも実質利回りが変わります。

よくある誤解と正しい理解

  • 誤解「元本が守られやすい設計」→正確には「満期・中途換金で元本割れなし」。発行時点で買った金額は戻ります。ただし途中で金利が上がるとインフレ面で負ける可能性あり。
  • 誤解「絶対安全」→信用リスクは低いが、国のデフォルトリスクがゼロではない。また金利リスク・インフレリスクは存在。
  • 誤解「銀行預金より常に得」→銀行の定期預金キャンペーン金利と比較すると逆転することがある。
  • 誤解「途中で売れない」→発行1年後からはいつでも換金可能。ただしペナルティあり。
  • 誤解「変動10年なら金利が無限に上がる」→計算式が「基準金利 × 0.66」なので、長期金利上昇の約2/3の恩恵にとどまる。

個人向け国債が向いている人/向いていない人

向いている人

  • 3〜10年以内に使う予定がある資金の置き場所を探している
  • 銀行預金より少し良い利回りが欲しい
  • 元本割れリスクを避けたい
  • 株式・投資信託の値動きにストレスを感じる
  • 新NISA・iDeCo枠を使い切った資金の行先を探している
  • ご高齢で積極運用のリスクを取りたくない

向いていない人

  • 1年以内に使う資金(中途換金不可期間がある)
  • インフレ率を上回るリターンを狙いたい(株式・投資信託向き)
  • 新NISA・iDeCo枠すらまだ使い切っていない(非課税枠優先)
  • 為替分散したい(外貨建て資産が必要)

2026年の実例:どう組み合わせるか

例1:30代・共働き・余裕資金あり

  • 生活防衛資金(6ヶ月分)→普通預金
  • 新NISA成長投資枠+つみたて投資枠 →全世界株式・米国株中心
  • iDeCo →全世界株式
  • 住宅頭金(5年後想定)→固定5年で利率を確定
  • 長期余裕資金 →変動10年で金利上昇を取る

例2:50代・退職金運用

  • 退職金の大半→投資信託・個人向け国債・定期預金に分散
  • 使う予定のある分(3年以内)→固定3年
  • 年金受給まで置いておける分→変動10年
  • 新NISAは引き続き有効活用

例3:60代・守り重視

  • 生活費3年分→普通預金+定期預金
  • 余裕資金の大半→個人向け国債(変動10年・固定5年・固定3年の階段型)
  • 相続を見据え、贈与や生前贈与も検討

世代別の詳細戦略は40代 資産運用 始め方独身 老後資金 シミュレーションもあわせてどうぞ。

海外ソース情報の取り扱い

海外メディアでは「Japanese Government Bonds」「JGB」として個人向け国債も含めて解説されることがありますが、海外機関投資家向けの10年利付国債・20年債・超長期債と、個人向け国債(個人限定の商品)は制度・税制・取引所が異なる商品です。海外記事の利回りグラフをそのまま個人向け国債の判断材料にしないようご注意ください。必ず財務省の公式ページで日本の個人向け商品の条件を確認してください。

関連して検討したい商品・制度

  • 地方債(個人向け地方債):自治体が発行。利率は個人向け国債と概ね同水準〜やや高い
  • 社債:企業が発行。利率は高いが信用リスクあり
  • 定期預金:キャンペーン金利次第で個人向け国債と比較
  • MMF・MRF:証券口座の待機資金用
  • ロボアドバイザーの債券ETF組み入れロボアドバイザー完全比較参照
  • 海外債券ファンド:為替リスクあり・利回りは高め

まとめ:迷ったら「使う予定の時期」で選ぶ

個人向け国債は、日本の個人投資家にとって「守りの運用の柱」となる安全資産です。変動10年・固定5年・固定3年の3種類を、①使う予定の時期、②金利見通し、③ポートフォリオ全体とのバランスで選べば、大きな失敗はありません。

2026年時点は「固定5年が変動10年を上回る利率が逆転する局面」が起きており、短期〜中期で確定利回りを取るチャンスでもあります。ただし金利環境は刻々と変化するため、購入時は必ず財務省の個人向け国債公式ページと取扱金融機関の最新商品ページで適用利率・キャンペーンを確認してください。

関連するポートフォリオ設計は家計改善・資産形成ロードマップ、非課税制度の活用は新NISA完全ガイドiDeCo完全ガイド、指標の読み方は単利・複利の違いシャープレシオとはと合わせて学ぶと、守りと攻めの両輪が揃った資産運用が実現できます。

※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。適用利率・制度は変更される可能性があるため、最新情報は財務省「個人向け国債」公式ページおよび取扱金融機関の公式サイトでご確認ください。

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