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NISA口座の移管方法|金融機関変更の手順・手数料・デメリットを徹底解説

2026/4/22

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NISA口座の移管方法|金融機関変更の手順・手数料・デメリットを徹底解説

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Capital Insight 編集部

2026/4/22 公開

NISA口座は別の金融機関に移せる?

NISA口座の金融機関変更は可能です。ただし、いくつかのルールと制約があります。特に「その年に1回でも買付をしていると、その年は変更できない」点は見落としやすい制約です。

「今の証券会社より手数料が低い金融機関に変えたい」「ポイント還元が高い証券会社に乗り換えたい」等の理由で変更を検討するケースがあります。本記事では、2026年時点のルールに基づいて、金融機関変更の手順・手数料・留意点を解説します(制度詳細は金融庁 NISA特設ページをご確認ください)。

金融機関変更の基本ルール

ルール内容
変更頻度年1回のみ可能
手続き受付期間変更したい年の前年10月1日〜当年9月30日
変更可能条件変更したい年に1回も買付をしていないこと
保有商品の移管不可(変更前の金融機関で継続保有)
手数料ほとんどの金融機関で無料
手続き期間申請から完了まで1〜2ヶ月

重要な制約:買付済みの年は変更不可

その年にNISA口座で1回でも買付を行っていると、その年中の金融機関変更はできません。例えば2026年1月に積立買付を1回でも行っている場合、2026年中の変更はできず、2027年の変更に向けて2026年10月以降に手続きを開始する必要があります。

つみたて投資枠で毎月自動積立を設定している場合、1月の自動買付が実行された時点でその年の変更権利を失います。変更を検討している場合は、年が明ける前に積立設定を停止しておく必要があります。

金融機関変更の手続き|5ステップ

ステップ1:変更前の金融機関に「変更届」を請求

現在NISA口座を持っている金融機関に「金融商品取引業者等変更届出書」を請求します。多くの場合、Webサイトまたはコールセンターから請求できます。

  • SBI証券:WebサイトのNISAメニューから請求
  • 楽天証券:カスタマーサービスセンターに電話で請求

ステップ2:変更届を記入して返送

届いた書類に必要事項を記入し、返送します。返送後、変更前の金融機関がNISA口座の「勘定廃止」手続きを行い、「勘定廃止通知書」が発行されます。この書類が届くまで1〜2週間程度かかります。

ステップ3:変更先の金融機関でNISA口座開設を申込

変更先の金融機関に以下の書類を提出してNISA口座の開設を申し込みます。

  • 勘定廃止通知書(ステップ2で受け取ったもの)
  • 非課税口座開設届出書(変更先の金融機関が用意)
  • 本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+運転免許証等)

変更先にまだ証券口座(総合口座)がない場合は、先に総合口座の開設が必要となります。

ステップ4:税務署の審査(約2週間)

提出書類をもとに、変更先の金融機関が税務署にNISA口座の開設申請を行います。税務署での「二重口座チェック」の審査に約2週間を要します。

ステップ5:新しいNISA口座で買付開始

審査完了の通知を受けたら、新しい金融機関のNISA口座で買付を開始できます。手続き全体の所要期間は約1〜2ヶ月の想定で、計画的なスケジュール管理が求められます。

手数料について

NISA口座の金融機関変更に伴う手数料は、ほとんどの金融機関で無料です。

  • 勘定廃止通知書の発行:無料(主要ネット証券の場合)
  • NISA口座の開設:無料
  • 口座管理料:主要ネット証券はすべて無料

ただし、以下の間接的なコストが発生する場合があります。

  • 保有商品を売却して買い直す場合:売却時の信託財産留保額(ファンドによって0〜0.3%程度)
  • 変更先で同じ商品がない場合:別の商品を購入することになり、信託報酬の差が生じる可能性

保有商品の取扱い

金融機関変更時の重要な制約として、保有商品の取扱いがあります。

  • 変更前のNISA口座で保有している商品は、変更先に移管できません
  • 保有商品は変更前の金融機関でそのまま非課税で運用を継続できます
  • 売却はいつでも可能ですが、売却して変更先で買い直す場合は非課税枠を新たに消費します

具体例

A証券でオルカンを500万円分保有 → B証券にNISA口座を変更した場合:

  • A証券のオルカン500万円はそのままA証券で非課税保有が継続
  • B証券のNISA口座で新たに買付が可能(年間360万円まで)
  • 結果としてA証券とB証券の2つを管理する必要がある

英語圏の在日投資家コミュニティでも「NISA口座の保有商品は別の金融機関に移管できず、売却して新しい金融機関で再投資する必要がある」と説明されています。これは日本のNISA制度特有の制約です。海外の制度前提は日本と異なるため、国内での判断は国内公式情報を参照してください。

金融機関変更のメリットと留意点

メリット

  • 低コスト商品にアクセスできる可能性:信託報酬が低い銘柄の取扱いが多い証券会社への変更
  • ポイント還元の改善:クレカ積立の還元率が高い証券会社への変更
  • サービス利便性:アプリのUIや取引ツールの相性
  • IPO投資対応:NISA口座でIPOに対応している証券会社(SBI証券等)への変更

留意点

  • 保有商品を移管できない:2つの金融機関を管理する手間が発生
  • 手続きに1〜2ヶ月かかる:その間、新規買付ができない空白期間が生じる
  • その年に買付済みだと変更不可:タイミングの制約
  • つみたて設定の再設定が必要:銘柄・金額・頻度を新たに設定

変更を検討する際の観点

以下のケースでは、金融機関変更の検討の余地が相対的に大きいとされます。

  1. 年間のポイント還元差が大きいケース:クレカ積立の還元率差が年間で数千円以上ある場合
  2. 変更前の金融機関に保有残高がほぼないケース:移管制約の影響が小さいため
  3. 取扱銘柄に不足があるケース:購入したいファンドが今の金融機関にない場合
  4. IPO投資の希望があるケース:現在の金融機関がNISAでのIPO非対応の場合

すでに数百万円の保有残高があるケースでは、2つの金融機関を管理する手間とのトレードオフを踏まえた判断が求められます。中国語圏の解説でも「旧口座の保有商品は新口座に移せないため、買い直しが必要で非課税枠を余分に消費する」と注意喚起されています。

変更手続きのスケジュール例

2027年からB証券でNISA口座を利用する場合のスケジュール例:

時期実施内容
2026年9月末までA証券のつみたて自動積立を停止
2026年10月〜A証券に「勘定廃止通知書」を請求
2026年10〜11月A証券から「勘定廃止通知書」が届く
2026年11月B証券にNISA口座開設を申込(勘定廃止通知書+本人確認書類)
2026年12月税務署審査完了。B証券のNISA口座が利用可能に
2027年1月〜B証券のNISA口座で買付開始

まとめ

  1. NISA口座の金融機関変更は年1回可能:手続き受付は前年10月〜当年9月
  2. その年に1回でも買付済みだと変更不可:変更を検討する場合は年明け前に積立停止
  3. 手数料はほとんど無料:間接コスト(売却時の信託財産留保額等)には留意
  4. 保有商品は移管できない:変更前の金融機関でそのまま非課税運用は継続可能
  5. 手続きに1〜2ヶ月を要する:計画的なスケジュール管理で空白期間を最小化
  6. 保有残高の規模に応じた判断:残高が小さいケースでは変更の制約の影響が相対的に小さい

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免責事項・出典

本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品の購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任において行ってください。過去のリターンや利回りは将来の運用成果を保証するものではなく、金融商品の価値は市場環境により変動します。当メディアは金融商品取引業者ではなく、個別の投資助言は提供しておりません。税制・法令・各金融商品の仕様は変更される可能性があるため、最新情報は金融機関・金融庁等の公式サイトをご確認ください。

主な出典(最終確認: 2026年4月)金融庁 NISA特設ページ国税庁 No.1535 特定口座制度

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