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全世界株式と先進国株式の違い|どっちを選ぶべき?��成・リターン・コストを徹底比較

2026/4/22

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全世界株式と先進国株式の違い|どっちを選ぶべき?��成・リターン・コストを徹底比較

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Capital Insight 編集部

2026/4/22 公開

全世界株式と先進国株式の基本的な違い

全世界株式インデックスファンドと先進国株式インデックスファンドは、どちらもグローバルに分散投資できる人気の商品ですが、投資対象の範囲が異なります。

全世界株式(オール・カントリー)は、先進国23カ国と新興国24カ国の大型・中型株で構成されるMSCI ACWI等の指数に連動します。一方、先進国株式は日本を除く海外先進国22カ国で構成されるMSCI コクサイ等の指数に連動し、新興国は含みません。

ただし、どちらも米国が全体の6〜7割を占めており、構成銘柄の上位はApple、Microsoft、NVIDIAなど共通しています。違いは「新興国を含むかどうか」に集約されます。

構成比率とリターンの比較

両者の具体的な構成比率とパフォーマンスの違いを整理します。

地域構成の比較

地域全世界株式(MSCI ACWI)先進国株式(MSCI コクサイ)
米国約63%約74%
欧州先進国約14%約17%
日本約5%(ACWIの場合)含まない(除く日本)
新興国(中国・インド・台湾等)約11%0%
その他先進国約7%約9%

MSCI Worldインデックスでは米国が67.74%、日本が6.1%、英国が4.37%を占めています(MSCI公式データ)。全世界株式は新興国を約11%含む分、米国比率がやや下がります。

リスク・リターン特性

過去の実績では、先進国株式の方がやや高いリターンを記録した期間が多い一方、新興国が好調な局面では全世界株式がアウトパフォームするケースもあります。新興国は先進国に比べてリスク(価格変動幅)が大きいため、全世界株式のリスク・リターンは両者の中間に位置すると考えるのが妥当です。

コストの違い:信託報酬を比較

長期投資で重要なのがコストです。代表的なファンドの信託報酬を比較します。

ファンド名投資対象信託報酬(税込)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)全世界年0.05775%
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス先進国(除く日本)年0.09889%
たわらノーロード 先進国株式先進国(除く日本)年0.09889%
ニッセイ外国株式インデックスファンド先進国(除く日本)年0.09889%

現時点では、オルカン(全世界株式)の方が信託報酬が低くなっています。これはオルカンに資金が集中し規模のメリットが働いている結果であり、コスト面では全世界株式が有利です。

全世界株式を選ぶべき人・先進国株式を選ぶべき人

どちらが正解ということはなく、投資方針や考え方によって適した選択肢は異なります。

全世界株式が向いている人

  • どの国が伸びるか予測したくない:全世界株式は時価総額加重で構成されるため、成長した国の比率が自動的に上がります。「将来どの国が一番パフォーマンスを上げるかは誰にもわからない」という考え方に基づく合理的な選択です
  • 新興国の成長も取り込みたい:インドや東南アジアなど、中長期で高成長が期待される地域にも自動的に投資できます
  • 1本で完結させたい:先進国+新興国を1本でカバーするため、別途新興国ファンドを購入する必要がありません

先進国株式が向いている人

  • 新興国のリスクを避けたい:政治リスク、通貨リスク、流動性リスクなど、新興国特有のリスクを排除できます。先進国は規制が整備され透明性・流動性が高い点が特徴です
  • すでに新興国ファンドを保有している:自分でポートフォリオを組みたい場合、先進国株式+新興国株式を別々に持つことで比率を自由にコントロールできます
  • 日本株を別途持っている:MSCIコクサイは日本を除く先進国のため、日本株ファンドと組み合わせることで重複を避けられます

「迷ったらオルカン」は正しいのか

「迷ったらオルカン(全世界株式)」という意見がネット上で広く見られます。確かに、全世界株式は1本で世界中の株式市場に分散投資できるため、初心者にとってシンプルで合理的な選択肢の一つです。

しかし、注意すべき点もあります。全世界株式の新興国比率は約11%と限定的で、実質的には先進国株式と大きく変わらない値動きをする期間も多いです。また、新興国が長期低迷した2010年代には、先進国株式の方がリターンが高かったという実績もあります。

筆者が金融データ分析の現場で感じるのは、全世界株式と先進国株式のどちらを選んでも「大きな失敗にはなりにくい」ということです。両者のリターン差は長期で見ると年0.5%前後に収まることが多く、それよりも「途中でやめずに積み立て続けること」の方がはるかに重要です。

新NISAでの活用法

新NISAのつみたて投資枠では、全世界株式・先進国株式のどちらもインデックスファンドが対象商品に含まれています。以下のような組み合わせパターンが考えられます。

  • パターンA:全世界株式1本:最もシンプル。つみたて投資枠で全世界株式を積み立てるだけで、世界中の株式に分散投資できます
  • パターンB:先進国株式+新興国株式:先進国と新興国の比率を自分で調整したい場合に有効。例えば先進国90%・新興国10%のように配分を決められます
  • パターンC:先進国株式+日本株式:日本株の比率を自分でコントロールしたい場合に選択。MSCIコクサイは日本を含まないため、日本株ファンドとの組み合わせで重複なく保有できます

免責事項・出典

本記事は情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融商品を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。過去のリターンや利回りは将来の運用成果を保証するものではありません。金融商品の価値は市場環境により変動します。税制・法令・各金融商品の仕様は変更される可能性があるため、最新情報は金融機関・金融庁等の公式サイトをご確認ください。

主な出典(最終確認: 2026年4月)金融庁 NISA特設ページMSCI Developed Markets IndexesMONEY PLUS「全世界」と「先進国」の違い解説野村アセットマネジメント 世界株式解説 (信託報酬等の数値は各運用会社の目論見書に基づきます)

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