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単利と複利の違いをわかりやすく解説|計算式・72の法則・投資への活かし方【2026年版】

2026/4/17

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単利と複利の違いをわかりやすく解説|計算式・72の法則・投資への活かし方【2026年版】

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Capital Insight 編集部

2026/4/17 公開

単利と複利の基本|1行でまとめると

単利と複利の違いを1行で言えば、「利息を元本に組み入れるかどうか」です。

  • 単利:利息は毎回元本に対してのみ計算する。雪だるまにならない
  • 複利:利息を元本に組み入れて、翌期以降の元本が増えていく。雪だるま式に増える

投資・貯蓄の世界で「長期運用の威力」と言われるものの大半は、この複利効果によるものです。本記事では計算式・具体例・72の法則・落とし穴まで、投資判断に使える形で整理します。

関連用語として、複利とは?わかりやすく仕組み・計算方法・72の法則・投資への活かし方72の法則とは?資産が2倍になる年数を暗算する計算方法もあわせて参照してください。

単利の計算式と具体例

単利は毎年一定額の利息が元本に対して発生する方式です。

単利の元利合計 = 元本 ×(1 + 利率 × 年数)

単利計算の具体例(元本100万円・年率5%・10年)

  • 1年目:100万円 ×(1+0.05×1)= 105万円(利息 5万円)
  • 2年目:100万円 ×(1+0.05×2)= 110万円(利息 累計10万円)
  • 5年目:100万円 ×(1+0.05×5)= 125万円(利息 累計25万円)
  • 10年目:100万円 ×(1+0.05×10)= 150万円(利息 累計50万円)

単利では毎年の利息が常に5万円で一定、10年で合計50万円の利息が発生します。

複利の計算式と具体例

複利は前年の利息も元本に組み入れて、翌年以降の元本が増えていく方式です。

複利の元利合計 = 元本 ×(1 + 利率)^年数

複利計算の具体例(元本100万円・年率5%・10年)

  • 1年目:100万円 ×(1.05)^1 = 105.00万円
  • 2年目:100万円 ×(1.05)^2 = 110.25万円
  • 5年目:100万円 ×(1.05)^5 = 127.63万円
  • 10年目:100万円 ×(1.05)^10 = 162.89万円
  • 20年目:100万円 ×(1.05)^20 = 265.33万円
  • 30年目:100万円 ×(1.05)^30 = 432.19万円

複利では10年で約63万円の利息(単利50万円より13万円多い)、30年では約332万円の利息と、期間が長くなるほど差が拡大します。

単利と複利の差|30年運用での比較

年率単利(30年後)複利(30年後)差額
1%130万円約134.8万円約4.8万円
3%190万円約242.7万円約52.7万円
5%250万円約432.2万円約182.2万円
7%310万円約761.2万円約451.2万円

※計算例は元本100万円・年率固定の前提。実際の投資では利回りは変動し、将来の運用成果を保証するものではありません。利率が高いほど、期間が長いほど、単利と複利の差は指数関数的に拡大します。

72の法則|資産が2倍になる年数を暗算する

「72の法則」は、複利運用で元本が2倍になるまでの年数を暗算で概算できる公式です。

元本が2倍になる年数 = 72 ÷ 年率(%)

72の法則の具体例

  • 年率1%:72 ÷ 1 = 72年
  • 年率2%:72 ÷ 2 = 36年
  • 年率3%:72 ÷ 3 = 24年
  • 年率5%:72 ÷ 5 = 14.4年
  • 年率7%:72 ÷ 7 = 約10.3年
  • 年率10%:72 ÷ 10 = 7.2年
  • 年率12%:72 ÷ 12 = 6年

72の法則の仕組みと使いこなし方の詳細は72の法則とは?資産が2倍になる年数を暗算する計算方法と3つの使い方で解説しています。

どこで単利・複利が使われているか

単利が使われる主な場面

  • 定期預金(一部商品)
  • 国債の一部(金利が別途支払われるタイプ)
  • 住宅ローン・自動車ローン・学生ローン(多くの場合)
  • 一時金型の個人年金保険の利率計算

複利が使われる主な場面

  • 投資信託(分配金の再投資設定)
  • 株式投資(配当の再投資)
  • iDeCo・新NISAでの長期運用
  • 確定拠出年金
  • 複利型定期預金
  • クレジットカードのリボ払い(消費者側から見ると複利で増える負債)

積立投資と複利効果

実際の長期投資では、「元本を一度に投資」するケースより「毎月積立」する方が多いでしょう。積立投資の場合も、配当・分配金の再投資を通じて複利効果が働きます。

月3万円を20年間積立した場合の計算例(年率5%想定)

  • 元本累計:3万円 × 12ヶ月 × 20年 = 720万円
  • 複利運用(年率5%想定)の元利合計:約1,233万円
  • 運用益:約513万円

※試算例です。実際の運用成果は市場環境により変動します。将来の運用成果を保証するものではありません。金融庁ライフプランシミュレーターでご自身の条件による計算を行うことを推奨します。

複利効果を最大化する3つの条件

1. 期間の長さ

複利は期間が長いほど威力が出ます。20代から始めれば30〜40年の運用が可能で、40代開始の20年と比べて元利合計に大きな差が出ます。早期スタートが複利活用の王道です。

2. 利回りの高さ

年率1%と年率5%では、30年後の元利合計が約3倍違います。ただし高リターンは高リスクが伴うため、自分のリスク許容度内での最大化が現実的な設計です。

3. 分配金の再投資

投資信託を選ぶ際、「分配金再投資型」を選ぶことで、分配金を元本に組み入れて複利効果を享受できます。「毎月分配型」は分配金を受け取ってしまうため、長期複利の観点では不利です。分配金の仕組みは投資信託の分配金と再投資の仕組み|複利効果を最大化する長期投資戦略で解説しています。

新NISA・iDeCoで複利効果が最大化される理由

通常の課税口座では、運用益に20.315%の税金がかかるため、再投資される金額が目減りし複利効果が弱まります。一方、新NISAやiDeCoでは運用益が非課税のため、税金分が全て再投資に回り複利効果がそのまま働きます

新NISAの活用法は新NISA完全ガイド2026、iDeCoはiDeCo完全ガイド2026を参照してください。

複利効果を阻害する3つの要因

1. 税金

課税口座では運用益の20.315%が税金として差し引かれ、複利効果が弱まります。新NISA・iDeCoの非課税口座の活用で対策可能です。

2. 手数料(信託報酬)

投資信託の信託報酬は毎年差し引かれ、複利効果の原資を削ります。年率1%の信託報酬は、20年運用で元本の約18%を削る影響があります。信託報酬の目安は信託報酬とは?目安はいくら?を参照してください。

3. 途中解約・取り崩し

運用中に元本を取り崩すと、その金額にかかる複利効果が失われます。「複利を最大化したいなら、途中解約しない設計」が本質的なポイントです。

72の法則の応用|債務のリスクにも使える

72の法則は「資産が2倍になる年数」だけでなく、「債務が2倍になる年数」の概算にも使えます。

リボ払い(金利15%)の場合

72 ÷ 15 = 4.8年。返済しないと約5年で借入額が2倍に膨らむ計算です。複利は味方にもなれば敵にもなる点を理解することが重要です。

単利の方が有利な場面もある

借入れ(住宅ローン・学生ローン等)の視点では、単利の方が返済総額は少なくなります。多くの住宅ローンは単利で計算されるため、借入れ側にとっては単利は「良い方式」です。

つまり:

  • 投資・貯蓄では「複利」が味方
  • 借入れでは「単利」が有利

筆者視点:複利は「時間への投資」

筆者が資産形成系プロダクトを観察してきた中で、複利の本質は「時間を味方につける装置」だと感じます。年率5%のリターンは短期では地味ですが、30年続けば元本が4.3倍になり、単利の2.5倍との差は無視できない規模になります。

複利の本当の敵は「短期の値動きで一喜一憂して売買してしまうこと」です。長期の複利効果を享受するには、「市場が下がっても継続する」「分配金を再投資する」「手数料の低い商品を選ぶ」の3つが王道になります。地味ですが、この3点を30年続けられる人は、資産形成で大きな成果を得やすい傾向があります。

よくある質問(FAQ)

複利効果はいつから実感できますか?

期間が長いほど効果が見えやすくなります。5〜10年は単利との差が小さく、20年を超えると明確な差が現れます。30〜40年運用すると元本と同額以上の運用益が出るケースもあります(利率と市場環境による)。

低金利時代でも複利は意味がありますか?

預金金利が低い環境では複利効果は限定的ですが、投資信託・株式等の長期リターン(過去の実績ベース)では複利効果は有意に働いてきた歴史があります。将来を保証するものではありませんが、長期運用では有力な選択肢の一つとされます。

72の法則は正確ですか?

近似値です。厳密には「69.3 ÷ 年率」が理論値ですが、72の方が暗算しやすく、割り切れる利率が多いため実務的に使われています。年率5〜15%の範囲では誤差が小さく、暗算での概算に十分実用的です。

月利・日利の複利はどう計算しますか?

計算式の「利率」を月利・日利に、「年数」を月数・日数に変えれば計算できます。ただし実際の金融商品の多くは年利表示のため、暗算用には年率ベースで捉えるのが現実的です。

複利計算を簡単にできるツールはありますか?

金融庁の「ライフプランシミュレーター」、各証券会社の積立シミュレーター、表計算ソフトのFV関数等で計算できます。自分の条件(毎月積立額・想定利回り・期間)を入力するだけで具体的数値が確認できます。

免責事項・出典

本記事は情報提供を目的として作成されたものであり、特定の金融商品・サービスの購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。記載の計算例・試算は一般的な計算式に基づく概算で、実際の金融商品は手数料・税金・市場変動の影響を受けるため、結果は異なります。過去のリターンは将来の運用成果を保証するものではありません。

主な出典(最終確認: 2026年4月)金融庁 NISA特設ページ金融庁 ライフプランシミュレーター日本銀行(金融に関する基礎情報)、 財務省(金融・金利関連)

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